続:夏樹さん
夏樹静子氏の二冊の本は、治療家である私には身近で切実な内容です。
医療に関係していない人にとっては、ピンとこないかもしれません。
そこで、例えば、小説家宮部みゆきさんの「ペテロの葬列」の中で描かれている人々を見てみます。
地位、名誉、財、そして豊で恵まれた環境をもっていたとしても、それを保持したがる生き方、それを保持することよりも等身大の自分自身というか、ありのままの自分自身で生き続けていきたい。
そうした葛藤の日々を送っているのは、おそらくどなたも同じなのかもしれません。どちらに執着や好奇心、楽しさを求めるか否かで、夏樹静子さんの本の内容にもなってくるのではないかと思います。